木通(もくつう)について

　木通(もくつう)はアケビのつるの部分を切り、乾燥させたもので、神農本草経の中品に「通草 (つうそう) 」の名で収載されてあります。有効成分としてアケビンやサポニン、カリウム、ビタミンＣなどを含んでいます。
　漢方では、消炎性利尿、鎮痛薬として、小便不利、関節リュウマチ、神経痛、月経不順などに応用します。血行改善、排膿、通経などに使われてきた。証におうじて冷え性、腰痛、生理不順、子宮内膜炎、膀胱炎などに使います。脚気にも尿をふやす目的で与え、妊婦の浮腫にも用いられます。
　木通（もくつう）とは異なる「関木通（かんもくつう）」というものがあります。これはアケビ類とは全く別のウマノスズクサ属の蔓を輪切りにして天日乾燥して作られるものです。この関木通にはアリストロキア酸という成分を含有していて、腎不全を引き起こすことが知られています。