百足(むかで)について

　百足(むかで)はオオムカデ科トビズムカデの全身を乾燥したもので、味は辛く、性は温です」。「神農本草経」には小児のひきつけ、円形脱毛症、るいれき、痔疾、丹毒や蛇咬傷などに効果があると記載されています。頭と脚の赤い個体が良品とされています。
　漢方では、鎮痛作用があり風湿による体の痛みや頭痛を鎮めます。破傷風の痙攣や小児のひきつけを鎮める場合に使用されます。また解毒作用があり、虫、蛇、魚による毒を排除します。
　ムカデ油は民間療法としては割りと有名で、軽度の火傷や切り傷の治療や虫刺され、中耳炎の治療などに用いられているようです。漢方薬局で入手できるムカデを、ごま油に入れて約半月ほどおくと、蜈蚣油が出来上がる。その油をヤケドや出来物の患部に塗ると、痛みが軽くなり、感染を抑えたり、皮膚の修復にも優れた効果があります。