肉豆蒄(にくずく)について

　肉豆蒄(にくずく)はニクズク科の常緑高木、ニクズクの種子を乾燥したものです。ナツメッグ・肉果（にくか）・玉果（ぎょくか）ともよばれます。
　漢方では温裏・収渋・理気の効能があり、消化不良・腹痛・下痢・嘔吐などに用いられる。とくに胃腸の虚寒や気滞のために腹部が膨満して痛み、嘔吐や食欲不振・下痢などが続くときに用いられます。
　肉豆蒄(にくずく)は古代インドで頭痛薬や胃腸薬として有名であり、さらに10世紀にはアラビアで、16世紀にはヨーロッパでも万能薬として用いられていた。
　肉料理によく合うナツメグはその甘い刺激性の香りとほろ苦さで肉の生臭さを消し、冷蔵庫のない時代には肉の保存剤として、現代ではハンバーグやソーセージ、シチューやカレー、ソースなどには欠かせないスパイスです。メースも同様ですが、より繊細な香りと味で一段高級と言われます。

※一般に急性の下痢や炎症性の下痢には用いない。